2015年8月13日木曜日

8/9 ビブリオバトルレポート@市立飯山図書館(後半)

ビブリオバトル信州の村上です!
近藤さんのレポートに引き続き、市立飯山図書館で行われたバトルの後半戦の様子をお届けします。

バトルの前半戦はテーマフリー、そして後半戦はテーマ「わ」で本の発表が行われました。
「わ」・・・どんな本を紹介するのか、とても迷うテーマですよね。
発表者の方はどんな「わ」で本を発表してくれたのか、乞うご期待です!

                  

① パトリック・ハーラン 『ツカむ!話術』

第2回目のバトル最初の発表者は、ビブリオバトル信州から参加した近藤さん。
しゃべりがうまくなれるように、という想いから「話(わ)」に関連付けて本を持ってきてくれました。
この本の著者はお笑い芸人のパックンマックンですが、池上彰の推薦を受けて東工大でしゃべりに関する講義をしておられるそうです。
その講義の内容を書籍化したのがこの本です。
理論編と技術編から成るこの本は、まさに会話の心得を教えてくれる本という気がします。
日常会話や、ビブリオバトルのような場面でも応用できそうです。
しゃべりのスキルをアップさせるために是非触れておきたいと思いました!


                    

② 坂木司 『切れない糸』

続いては南澤さんによる、青春ミステリの短編集『切れない糸』の紹介でした。
「糸を使って輪(わ)を作る」という考えから持ってきてくださった本です。
父親が急逝し、家業のクリーニング屋を継ぐことになった新井和也のもとに、お客さんが衣類とともにお悩みを次々と持ち込んできます。
そんなお客さんのお悩みを和也は友人の沢田直之と解決していくことになります。
タイトルの『切れない糸』は、絆や人との関わり合いのことを示しているのとおっしゃっていました。
タイトルも内容も、南澤さんの考える「輪」にピッタリの選書でした。


                    

③ 東野圭吾 『天空の蜂』

3番手は萩原さんによる紹介。持ってきてくださったのは東野圭吾『天空の蜂』でした。
発売されたのは今からちょうど20年前の1995年ですが、2011年に起こった福島第一原子力発電所の事故を予知していたのではないかと考えてしまうほどの内容だそうです。
「天空の蜂」を名乗る犯人による原発停止の要求と、子どもを乗せたまま原発へ出発してしまった自動操縦のヘリコプター「ビッグB」の事件が重なってしまい…。
実はこの本とテーマ「わ」がどうつながるのかお聞きするのを失念してしまいました(汗)。
しかし、この作品は近々映画化されるようですし、8月11日には鹿児島県の川内原発が再稼働するというニュースもありました。
「話(わ)題書」ということで紹介してくださったのかな、と思います。


                    

④ 住野よる 『君の膵臓をたべたい』

4番手の発表者は中学生の水野さん。紹介してくれたのは『君の膵臓をたべたい』、この日のビブリオバトルで紹介された中では一番インパクトがあったタイトルです。
すい臓の病気にかかり、もう長くは生きられないことを知ってしまった女の子の桜良(サクラ)は、そのことをクラスの誰にも話さずにいました。
ところが、一人の男子のクラスメートに病気のことを知られてしまい、そのことがきっかけとなり「2人で、死ぬまでにやりたいことをやろう」と行動を共にすることになります。
ここまで発表を聞くと、これは淡い、切ないような作品なんだろうな…と思いますが、どうしてすい臓を「たべたい」なのでしょうか?
その理由は…読めばわかるということでした。これは気になる!
読めば「わーわー泣ける」本ということで紹介してもらいました。


                    

⑤ 永江朗 『不良のための読書術』

ラストを務めるのはわたくし村上、紹介したのは『不良のための読書術』です。
現代では多くの本が出版されており、その数は年間で万単位になると言われています。
1日に読める本の数は知れており、できるだけ面白い本を読みたいけど、どんな本を選べばいいのか…。
そんな時に登場するのがこの本で紹介されている「ゴダール式読書術」という方法で、本の面白い部分だけ「つまみ食い」してしまえ!というものです。
マジメな良い子はいつも間違える、そうならないためにもゴダール式読書術で本からいろいろな考え方を取り入れ、不良を目指そうというのが永江さんの言い分です。
「不良」と書いて「ワル」と読む、そんな人間になってみようという想いから紹介させてもらいました。
かなりこじつけ感がぬぐえませんが…笑


                    

以上5人による発表でみごとチャンプ本に選ばれたのは…

東野圭吾『天空の蜂』 でした!

原発をテーマにしたこの作品ですが、映画化やニュースの話題があり時流に合う一番ホットな作品だったように思います。
そのことが観戦者の関心をぐっと引きつけたのでしょうね!

テーマ設定があった後半戦ですが、各人いろいろな考えを持って本をもってきてくれました。
今回のようにテーマがひらがな1文字だけだと、発表者がどうしてその本を持ってきたのか、理由を聞くのが一層楽しみになりますよね。
テーマありバトルの良さを実感できる良いバトルになりました。

                    

近藤さんとともに2回に渡る市立飯山図書館で行われたビブリオバトルの様子をお届けしました。
飯山のバトルには昨年も参加させていただきましたが、今回は小中学生の発表者もいて、発表者の年齢層が広がっていました。
普段は大学生が多い環境でバトルをしていたので、新鮮な気持ちでバトルに望むことができましたよー!
来年も是非飯山に行ってバトルがしたいですね(参加してくれたお礼としていただいた飯山名産笹の葉寿司もおいしかったです!)。

以上、近藤・村上によるビブリオバトルレポートでした!

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