2013年6月29日土曜日

ブログ書評第5回『捨てる力』

こんにちは!第5回目のブログ書評を書かせていただきますN.T.です!
慣れない書評ということもあり、つたない文章ですがご了承ください。。。

さて、今回紹介させていただく本は羽生善治さんの『捨てる力』(PHP文庫)です。
偶然にも、前回の秋山君が紹介した本の著者がかぶってしまいました。しかし僕はこの本を書評に書くと、3週間前には決めていたので決して秋山君の書評に影響されたわけではありません!
逆に言えば、書評が連続してしまうほどの本を書く方なんだともいえますよね(笑)

前置きはこのくらいにして本の紹介に入らせていただきます。この本は棋士である羽生善治さんが書かれたもので、表紙には羽生さんがドドンと写っています。
ひとつの手を選ぶことは、それまで考えた手の大部分を捨てること。
棋士の羽生さんらしく、また羽生さんだからこそいえるような言葉がたくさん詰まっている本になっています。何かに悩んだりしたときや行き詰ったときなどに解決するためのヒントとなる言葉が羽生さんのエピソードとともに語られています。
この本の帯には、「忘れることは次に進むための大事な境地」とありました。忘れることが得意な僕にピッタリの本だとおもい、この本を読んでみました。
実際に読み進めていくと、捨てる力というタイトルから、いかに捨てるか、捨ててどうするのか、といった捨てることに関して語っている本と思いきや、捨てることについての記述は少しだけでした(笑)  その点からみると少し物足りない感じも受けましたが、それを補って余りある名言の数々に圧倒されました。
羽生さんが将棋を始めたころから今に至るまでのエピソードとともに語られる言葉はとても説得力があり、心に響くものがたくさんありました。

ここで、いくつかの言葉を紹介させていただきます。
まず、「知識は単に得ればいいというものではなく知識を積み重ねて理解していく過程で“知恵”に変える必要がある」 という言葉なのですが、この言葉をみたときにゼミで先生がいっていたことを思い出しました。ただ勉強するのではなく、どうしてそうなるのかという疑問を解決していくことに意味があり、これから先においての勉強のやり方を身に着けられる、とおっしゃっていたことが理解できた気がしました。
また、「プレッシャーはその人の持っている器に対してかかるもの」という言葉は、プレッシャーを感じやすい僕としては非常に勇気づけられるものでした。これからプレッシャーを感じたときには、自分の器はこんなことでプレッシャーを感じるほど小さくはないはずだ!と言い聞かせて乗り越えたいと思います(笑)

ここで挙げた言葉は、本で紹介されている数ある名言のほんの一部ですが、いまの僕にとって特に心に響いた言葉です。
おそらく将来この本を読み返したときに心に響く言葉は変わっているはずです。そこから自分がどのように成長したのかが分かるのではないのかと考えています。十年後に読み返してみて、いまの自分ではあまり理解出来なかった言葉が、心に響くようになっているかもしれません。
読み終えてみて、この本はいくつになっても何度でも読み返すことができる本なのではないかと僕は感じました。何かに悩んだときや頭の中がスッキリしないときは、またこの本を広げたいと思います。

2013年6月27日木曜日

「ビブリオバトル@丸善松本店with信州大学」開催決定!

こんにちは!
ついに、松本で初の書店ビブリオバトルの開催が決定しました!
7月20日(土)、丸善松本店にて開催されます。

週末の午後、入場無料・ご予約不要ですので、多くの方々のご観覧をお待ちしております。
みなさんの一票でチャンプ本を選びましょう!
(今回はプレゼンターの募集は行なっておりません。ご了承下さい。)


「ビブリオバトル@丸善松本店with信州大学」
7月20日16:00~
丸善松本店地下1階イベントスペース

主催:丸善松本店
協力:信州大学経済学部、ビブリオバトル信州


お問い合わせはお気軽に biblioshinshu@gmail.com までお願いいたします。

2013年6月22日土曜日

ブログ書評第4回『直感力』

こんばんは。ビブリオバトル信州の秋山です。
第四回目の書評を書かせて頂きます。

今回紹介する本は羽生善治『直感力』(PHP新書)です。



私たちは日々生きていく中で多くの選択肢に直面し、決断を迫られます。
その決断を最終的に後押しするものが「直感力」です。

例えば今あなたはテストを受けているとします。残り時間が半分を切ったところで、全問題の内4分の1しか解けていないとします。このあとどうしますか。
とりあえず全問解こうとおおざっぱに解答する人もいれば、できそうな問題を探して確実に点数をあげようとする人もいるでしょう。予定通り解けなくて自棄になる人もいるかもしれません。このような色々なパターンの中からよりよい選択肢を選ぶセンスが「直感力」です。

直感力と聞くと、先天的なものでどうしようもないものと思われるかもしれません。しかし、直感力は鍛えることができます。大学受験で模試を受ける回数を重ねるごとに、「なんとなく」うまく解けるようになったはずです。この「なんとなく」がうまくなるのが直感力です。直感力は模試のように経験を積み重ねるごとにその力を増していきます。しかし、ただ経験を積み重ねるだけでは不十分です。この本には直感力を磨くのに必要な要素が書かれています。

ビブリオバトルは5分間という限られた時間の中で本を紹介します。残り1分になるとアラームが鳴るのですが、その時のバトラー(本の紹介者)の反応は様々です。その中で時間内にうまく話し終えられる人は直感力の高い人なのだと思います。ビブリオバトルで気持よくお気に入りの本を紹介できるように、『直感力』を読んで直感力を養ってみませんか。



2013年6月16日日曜日

ブログ書評第3回『都会のトム&ソーヤ』

はじめまして、ビブリオ信州の近藤彰則です。
長らくブログ書評の更新を滞らせてしまっていたのですが、今後ちょくちょく更新する予定ですので、時々見に来てくださるとうれしいです!


さて、今回僕が書評を書かせていただくのは、『都会のトム&ソーヤ』というシリーズ小説です。著者は、児童向けのミステリを多く書かれている「はやみねかおる」さんです。区分け的には児童文学となっていますが、大人でも十分に楽しめる作品です!

マーク・トウェインの「トム・ソーヤの冒険」に由来したであろうタイトルから推察できるように、児童向け冒険小説です。ちなみに「トム・ソーヤの冒険」は読んだことがないので内容にオマージュが入っているのかはわかりません(汗
冒険といいましても、タイトルの通り舞台は都会(まち)。主人公の内人(ないと)と創也(そうや)は、テレビ局やデパート、果てはマンホールの底の下水道だったりと、様々な場所を冒険することになります。
冒険の目的は一つ、「究極のゲーム」を作ること。なんでゲームを作るためにそんなところを冒険することになるんだよ?というのは、ご自分の目でお確かめください(笑

ストーリは置いておきまして、この本の魅力は何かと聞かれれば「夢を追う人たちが書かれていること」なんじゃないかと僕は答えます。
中学生である主人公たちの夢(正確には創也の夢)は、先ほどの通り「究極のゲームを作ること」ですが、それ以外の登場人物たちもそれぞれの夢といいますか野心といいますか、目標のようなものを持っているんですね。そんな彼らはみな活き活きとしていて、(本書が児童文学であるからなおさら)夢を追うことの楽しさを思い知らせてくれます。

はてさて、冒険ものとして本書を紹介しましたが、作者のはやみね氏がミステリ作家であることもあり、本書がミステリー小説でもあることを最後に添えておきます。コテコテのミステリ作品ではありませんが、そういった類がお好きな方にもぜひ読んでいただきたいなと思います。


この本を初めて読んだ中学生のころ、胸をときめかせながら読んだことを記憶しています。はたしてその少年時代の夢を実現できそうかと言われれば微妙なところですが、夢を追うひたむきな心だけはずっと忘れないでいたいものですね。