ブログ書評もサークル員7名が一周りして、2周めに入りました。
明日はビブリオバトル@丸善松本店with信州大学ですが、ブログ書評もいつもどおり更新していきます!
今日紹介するのは・・・
ジェームズ・スロウィツキー『「みんなの意見」は案外正しい』(角川文庫)です!
皆さんは、自分ではよくわからない問題を解決しなければならないとき、どのように自分の行動を決めるでしょうか?
家族に相談?ネットで調べる?会議で決める?先生や専門家に従う?
いろいろ決め方はありそうですね。
この本は、「多様な属性から集めた多くの人(みんな)の意見を総合すると、一人の専門家の意見より正しいことが多いよ。」というメッセージを込めた本です。
知識や経験が多くあって、ずっとそのことを考え続けている専門家より、素人の意見を多く集めた方が正しい予測ができるなんて、なんだか不思議ですね。でも、実はそのような例というのは世の中に非常にいっぱいあるのです。この本にも、その例がいっぱい述べられています。
実はこの考え、結構昔からあったのですが、情報技術やインターネットが発達して「ビッグデータ」という言葉もよく聞かれるほどに、「みんなの意見」を集めるためのコストは急速に下がったこともあり、大変注目されています。
社会全体に影響を与える決定が、少数の人達だけでなく、「みんなの意見」によって決めたほうがうまくいくのだとすると、とても夢のある話だと思います。もしかすると近い将来、そのような社会になるかもしれませんね。
ただちょっと待って下さい。この本の題名は、『「みんなの意見」は案外正しい』です。
つまり、そううまくいかないこともある。どんな時にうまくいかないか、なぜうまくいかないか、そんな例も、この本にはいくつか載っています。
何にでも使える最高の決め方なんて、この世には無いのかもしれませんね。
どういう時に、どんな方法で決めたら良いか、それも、私たちの決めなければいけないことですし。
でも、その決め方の選択肢の一つに「みんなの意見で決める」というものも結構うまくいく可能性があるということを知ることができるだけでも、この本は読む価値があると思います。
ビブリオバトルも、一人一票、チャンプ本をみんなで決めるゲームです。
これが、偉い人の独断で決まってしまったら、きっとゲームもつまらなくなってしまいます。
「決め方」をどうやって決めるか。そんな頭の痛そうな問題のヒントにもなるこの本、楽しく読めると思いますので、皆さんもぜひ読んでみて下さい!
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