2014年4月25日金曜日

ブログ書評第27回「幸福な食卓」

はじめまして。
新規加入しました服部です。

本日ご紹介させていただく本は、瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」という本です。



「父さんは今日で父さんをやめようと思う」で始まる、中学、高校と成長していく主人公佐和子を題材にしたホームドラマ的小説です。
この小説の中で、家族が何か重大なことを発表するのは、いつもの朝の食卓です。
家族全員が揃う朝食の場以外では、それぞれが違う立場や社会におかれており、それぞれがしっかりと強く生きていかなければなりません。しかし、いつでも頼ることができるのも、また家族です。母が別居し、父親は自殺未遂をするなど、一見して崩壊しているような家族ですが、どこか深い部分で強いつながりを持って生きていることが伺えます。

一冊を通して、話に大きなオチがあるわけではありません。途中で主人公佐和子が負う大きな心の傷も、日常の一部として描かれ、また普通に次の朝がやってきて、家族がそろって朝食を食べます。

主人公の年齢と近い方中高生の方は、ぜひ読んで欲しいと思います。

映画化もおり、小説の世界が実に丁寧に描かれています。
原作をお読みになった後、ぜひ映画もご覧になってください。

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